「安倍政治」を振り返る「森友問題」証人喚問 政権窮地か 幕引きか

安倍元首相が参院選の街頭演説中に銃撃され、死亡したことを受け、テレビ各局はその日夜の番組編成を急きょ報道特番に切り替えて安倍氏の功績を礼賛。翌日の朝刊各紙も「世界に誇る政治リーダー」などと各界からのコメントを報じている。死者に鞭打つつもりはないが、「新聞うずみ火」の過去の記事から「アベ政治」の一端を振り返る。まずは「森友問題」から。(新聞うずみ火編集部)

 

学校法人「森友学園」への国有地売却問題が安倍政権を揺さぶっている。小学校の設置認可申請を取り下げた籠池泰典理事長は、安倍首相から小学校建設費として100万円を受領したと発言、2017年3月23日の証人喚問が決まった。政権を窮地に陥れるのか、それとも幕引きの「政治ショー」になるのか。一連の疑惑追及の先がけである大阪・豊中市議の木村真さんに話を聞きながら、「森友問題」を再点検した。(新聞うずみ火2017年4月号)

木村さんは2月8日、国有地売却額を非公表とした国の決定を不服として大阪地裁に提訴。これが、国有地が格安で売却されていたことや政治家の関与など、さまざまな疑惑が噴出するきっかけとなった。提訴から1カ月半。「まさかここまで問題が大きくなるとは思いませんでした」と振り返る。

森友問題を提起した木村市議=2017年3月、大阪府豊中市

 

16年の年明け、木村さんは問題の国有地周辺に工事用の柵が張り巡らされ、小学校の児童募集のポスターが貼ってあるのに気づいた。教育勅語が掲げられている。愛国的な教育で知られる塚本幼稚園の学校法人が小学校を建設していることを知った。

まず、土地の登記を調べた。所有者は国土交通省。売却窓口である近畿財務局に電話をしたが、なかなか担当者に取り次ごうとしない。やっと来た返事は「定期借地権付き」というもの。「うさん臭いことをしているのでは」という思いがよぎった。

参考記事:「森友問題の本質は国有地売却と小学校認可」木村真・豊中市議

問題の土地は、道路の向かいの土地とあわせ、豊中市が無償貸与を受け、公園とする計画だった。しかし国はその後、売却に方針を転換。市の財政事情は厳しく、結局、野田中央公園になっている土地だけを14憶2300万円で購入したいきさつがある。

木村さんは財務局に情報公開を求めることにした。「国有財産有償貸付合意書」の写しを請求すると、金額などが黒く塗り潰されていた。それからまもなく、森友が土地を買ったと聞き、今度は売買契約書を請求したが、やはり金額などは黒塗りだった。過去の国有地売買のケースを調べると、森友学園のような随意契約の案件はすべて公開。うさん臭さは「おかしなことをやっている」との確信になった。

売却金額など黒塗りだった国有財産売買契約書(木村さん提供)

 

16年10月、市民グループ「瑞穂の国記念小学院問題を考える会」を発足、約3万枚のチラシを市内に配布、学習会も重ねた。

その中で、小学校の設置認可をめぐる動きも不自然であることがわかった。大阪府の私学審議会の審議過程を調べると、森友学園の申請は14年12月に継続審議、15年1月に臨時会が開かれ、「認可適当」とされていた。

「過去8年間を調べましたが、臨時会が開かれたのは森友だけ。しかもこの案件だけのために開かれるという異例なものでした。委員からは『絵空事』『後で新聞ざたにならないか心配』という声まで上がっています。普通ならボツになるケースですが、事務局と会長がかなり強引なかたちでまとめた。レールが敷かれていたのではないかというくらい不自然なのです」

 

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