ドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」子どもの力と居場所の力を描く

子どもたちの「やってみたい」が詰まった公設民営の遊び場「川崎市子ども夢パーク」(愛称「ゆめパ」)を舞台にしたドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」が大阪市淀川区の第七芸術劇場などで公開された。「さとにきたらえええやん」(2016年)の重江良樹監督(37)=大阪市=が、「子どもの力」と、それを支える「居場所の力」を再び描いた。(新聞うずみ火 栗原佳子)

 

ゆめパは川崎市の「子どもの権利条例」に基づき2003年、市民参画でオープンした。約1万平方メートルの工場跡地にはウォータースライダーなどを備えたプレーパークや全天候型広場、音楽スタジオや木工などの創作スペース、ゴロゴロしても怒られない「ごろり」部屋などがある。

映画のワンシーン。子どもも大人も一緒に思い存分泥んこ遊びⒸノンデライコ/ガーラフィルム

 

 

学校に行っていない子どものための「フリースペースえん」も。小さな森は生き物の宝庫。昆虫や植物好きな子どもたちは観察に夢中になる。

 

重江監督は大阪市西成区の児童施設「こどもの里」に密着した「さとにきたらええやん」を16年に製作。様々な困難が起きても跳ね返す子供たちの姿を撮影した。

 

「映画を見た方たちの感想には『しんどかった子どもの頃に、こんな場所があったら』というものが少なくありませんでした。自殺やいじめ、虐待など子どもに関する悲しいニュースも毎日のようにありました。子どもを真ん中に据えて子どもの最善の利益を考える、信頼できる大人のいる『居場所』をテーマにもう一度、撮りたいと思ったんです」

映画のワンシーンⒸノンデライコ/ガーラフィルム

 

すぐ思い至ったのが「子どもの権利条例」を体現したゆめパ。当時の西野博之所長の快諾も得、重江監督は大阪から3年間通った。最初の数カ月はカメラ抜きで、子どもたちとひたすら遊んだという。

 

ゆめパには乳幼児から高校生くらいまでと幅広い年齢の子どもたちがやってくる。学校に通わず、ここで自分の興味に従い、自発的に過ごす子どもたちの日常も描かれる。四苦八苦しながら自分たちで出店や商品を作り、販売もする「こどもゆめ横丁」はゆめパ最大のイベントだ。

参考記事:「済州4・3事件」体験した母の過酷な記憶を記録に ドキュメンタリー映画「スープとイデオロギー」

重江監督は「ゆめパの子どもたちは自分で考え、色々模索しながら、自分で判断し、やりたいことを選んでいく。安心安全と思える場で、信頼できる人たちに囲まれた環境で。映画を作ることで、そういう『居場所』を必要とする子どもたちに届いてほしいです」と期待を込める。

映画のワンシーンⒸノンデライコ/ガーラフィルム

 

「時間」ではなく、平仮名の「じかん」。タイトルには「ゆめパの子どもたちが思い切り自由に過ごせる豊かな『じかん』。それが全ての子どもたちにあってほしい」との願いを込めた。

大阪・第七芸術劇場名古屋・シネマテークポレポレ東中野で上映中。関西では7月29日から京都シネマ。8月6日から神戸・元町映画館で。

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