
「『個』のひろしま 被爆者・岡田恵美子さんの生涯」(西日本出版社)から出版した元朝日新聞記者でフリージャーナリストの宮崎園子さんを講師に招き、「うずみ火講座」が8月13日、大阪市北区PLP会館で開講する。(新聞うずみ火 矢野宏)
岡田さんは国内外で広島での被爆体験を証言してきたが、昨年4月に死去。84歳だった。8歳の時、爆心地から2・8キロで被爆。建物疎開(火災が広がるのを防ぐため建物を取り壊して防火地帯を作ること)に動員された12歳の姉を失う。「性別もわからない、ザクロのように顔が裂けた人たちが火に追われ、『助けて』『水を』と訴えるのを見たが、怖くて誰一人助けなかった。今でも真っ赤な夕焼けを見ると、心で謝っている」
岡田さんは2000年から広島市の平和記念資料館の証言者として活動。15年にはノーベル平和賞の授賞式に被爆者代表として招かれた。
「核兵器廃絶を訴え続けてきた岡田さんの人生は『個』の広島の戦後史そのもの」と指摘する宮崎さんはこう訴える。「ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻で核兵器を使用すると発言したり、被爆国・日本の政治家が『核共有』を主張したりしているが、ひとたび核兵器を使ったらどうなるか。被爆者がどんな思いで戦後を生きてきたのか。岡田さんの生き様から何を学ぶべきか。ともに考えてみませんか」

次回うずみ火講座は8月13日
【日時】8月13日(土)午後2時半~
【会場】PLP会館4階会議室(JR環状線「天満駅」から徒歩5分、地下鉄堺筋線「扇町駅」から徒歩4分)
【資料代】1200円(読者1000円)、学生・障がい者700円