「沖縄復帰50年…琉球人の遺骨を返せ」9月14日から「琉球遺骨返還訴訟」控訴審

戦前、旧京都帝国大(現・京都大)の人類学者らが研究目的で琉球諸島の墓から持ち出した遺骨をめぐり、いまも26体を保管する京大を相手取り、子孫らが返還を求めた「琉球遺骨返還請求訴訟」の控訴審第1回口頭弁論が9月14日、大阪高裁で開かれる。(新聞うずみ火 栗原佳子)

 

墓は沖縄本島北部の今帰仁村にある村文化財の「百按司墓(むむじゃなばか)」。統一王朝を建てた「第一尚氏」時代の貴族らが葬られているとされる。訴状などによると、助教授だった人類学教授の金関丈夫氏(1897~1983)や医学部講師だった三宅宗悦氏(1905~44)は子孫や地域住民の了解を得ず、学術研究の目的で百按司墓から大量の遺骨を持ち出した。龍谷大学の松島泰勝教授ら5人が2018年12月、遺骨の返還を求め京都地裁に提訴、遺骨の所有権を有する民法上の「祭祀承継者」にあたるとして、憲法20条の信教の自由が侵害されたなどと主張、少数民族の遺骨返還を求める権利を明記した国際人権法に違反すると訴えた。

控訴審に向け大阪の支援者が開いた学習会。丹羽雅雄弁護士㊥らが報告した=8月24日、大阪市中央区

 

今年4月21日の京都地裁判決は一部の原告を第一尚氏の子孫と認めたが、他の門中という同族集団や子孫と同じ立場だとして「祭祀承継者にはあたらない」などと請求を退けた。「原告らが琉球民族として祖先の遺骨を百按司墓に安置して祀りたいという心情にはくむべきものがある」と「琉球民族」という表現を用いて付言したものの、「学術的、文化的にも貴重な資料で利害関心を有する個人ないし団体は子孫ら以外にも複数存在する」とも言及。遺骨保管についても「ずさんとは認められず不法行為は成立しない」と、盗骨かどうかの判断は示さなかった。原告側は判決を不服として控訴した。

おすすめ記事:「沖縄は今も踏みにじられている」原告ら無念「琉球遺骨返還訴訟」(上)

控訴審第1回口頭弁論は9月14日午前10時半から202号法廷。閉廷後、弁護士会館で報告集会がある。また前日の13日午後6時から京都駅南口アバンティ9Fの響都ホールで控訴審支援集会がある。ジュネーブで7月に開かれた国連の先住民族の権利に関する専門家機構会議に参加した原告団長の松島泰勝龍谷大教授が「世界から問われる学知の植民地主義」と題して基調講演する。参加費800円(学生、障害者500円)。オンライン参加もできる。

 

 

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