「犯行動機は韓国人への悪感情」検察側が主張 ウトロ放火事件で初公判

京都府宇治市のウトロ地区で昨年8月、7棟が全焼した火災で、非現住建造物等放火罪に問われた奈良県桜井市の無職、有本匠吾被告(22)の裁判が5月16日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で始まり、有本被告は起訴事実を認めた。検察側は動機について「韓国人への悪感情があった」と主張。公判では特定の民族を標的としたヘイトクライム(憎悪犯罪)が認定されるかが大きな焦点となる。(新聞うずみ火 栗原佳子)

ウトロ地区は太平洋戦争中、飛行場建設のため動員された朝鮮半島出身者らの「飯場」が原型。日本の敗戦後、放置された人々は、帰国の資金がないなど様々な事情で残留を余儀なくされた。

 

ウトロの土地の所有権は、飛行場建設工事を請け負った国策会社「日本国際航空工業」の後身「日産車体」に引き継がれ、1987年には不動産会社「西日本殖産」に移った。同社は2年後、明け渡しを求めて住民を提訴。2000年に立ち退きを命じる判決が最高裁で確定した。

 

住民や支援者は日本や韓国で実情を訴える活動を展開。日韓市民の募金や韓国政府の支援で住民たちは土地の一部を取得した。そこに国と府、市による公営住宅の建設が決まった。18年に1棟が完成し40世帯が集団移転、2棟目(12世帯)は来年完成する予定だ。公営住宅の隣には4月30日、地区の歩みを伝える「ウトロ平和祈念館」が開館したばかりだ。

火災は祈念館着工を目前にした昨年8月30日午後4時頃に発生した。展示資料を保管していた倉庫など計7棟が全焼、資料40点余りも焼失した。当初、京都府警は「漏電による失火」と発表したが、昨年末、放火の疑いで有本被告が逮捕され事態は急転した。「ウトロ事件」1カ月前、名古屋市内の在日本大韓民国民団(民団)愛知県本部や隣接する名古屋韓国学校の排水管に放火した容疑で愛知県警に逮捕され、器物損壊などの罪で起訴されていた。

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