「ゴジラ和歌山上陸・宝田明さんと考えた『平和』」俳優・宝田明さんを悼む(2)「ロシアへの忌避感」

宝田明さん

。(新聞うずみ火 高橋宏)2019年夏に実現した宝田さんの講演会「ゴジラ和歌山上陸・宝田明さんと考える『平和』~これまでとこれからと」。宝田さんは自身の体験を語り始めた……

宝田さんは1934(昭和9)年、朝鮮の清津(チョンジン)で生まれた。

父親が南満州鉄道に転勤したことをきっかけに、2歳の時に一家で満州に移住した。そして小学2年生の時にハルピンに落ち着く。そこで敗戦を迎えるのだが、映画や舞台での華やかな姿からは想像もつかない壮絶な経験をする。

ソ連(当時)が「日ソ中立条約」を一方的に破棄し、満州と南樺太(当時)国境に大軍を送って侵犯したのが45年8月8日。

15日の敗戦以降、ハルピンはソ連兵のやりたい放題だった。11歳の宝田少年は、日本人女性が凌辱されるなどの悲惨な状況を目の当たりにする。

そしてある日、運悪くソ連兵の銃撃に遭ってわき腹を撃たれてしまう。病院も機能してない状況で元軍医が行った手術は、麻酔もせずに裁縫用の裁ちばさみを焼いて消毒し、それで傷口を切って銃弾を取り出すというものだった。

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