大阪市長への提言で処分、久保前校長が本出版「フツーの校長、市長に直訴」(下)

大阪市長に提言書を送り、文書訓告を受けた校長、久保敬さん(60)が定年退職した。提言書を出すに至った経緯と背景とは…。37年間の教師生活を一冊の本にまとめた。(新聞うずみ火 栗原佳子)

著書のタイトルにある「フツーの校長」。久保さんはこう記している。「勇気ある行動と称えていただいたりしますが、フツーの校長がフツーに思ったことを正直に思ったことを正直に言っただけの事です。気づかぬうちに、当たり前のことを勇気がないと発言できないような社会になっているとしたら、それこそが恐ろしいことではないでしょうか」

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著書には教員生活37年間の実践や子どもたちと過ごした日々も丁寧に綴られている。新任教員として赴任したのは同和教育推進校。「この学校で学んだことが教育の原点、人間としての在り方、生き方の原点になったことは間違いない。そこからはじまりつながっていった様々な出会いや経験がなければ提言書を書くことはなかったと思う」と久保さんは振り返る。

「ガッツせんべい」は久保さんのニックネーム。「元気が出るおまじない」だという十八番のガッツポーズから児童が命名したという。「せんせい」ではなく「せんべい」。その由来も著書に記されている。

定年後は提言書をきっかけに新たに出会った全国の人たちを訪ね歩き、教育や社会のありかたについて語り合いたいと思い描いている。学校現場は離れるが、声を上げたものの責任として、「公教育を自分たちの手に取り戻すために力を尽くしたい」という。4月からは週2回、大学の非常勤講師として、教師を志す学生たちと共に学び合う。

フツーの校長、市長に直訴!ガッツせんべいの人権教育論」は解放出版社刊。1500円+税。

5月14日(土)には友人たちの主催で久保さんの出版記念イベントが開かれる。午後2時から生野区の生野区民センターホールで。参加費1000円。ZOOM視聴500円。問い合わせ申し込みは「一般財団法人ひとことつむぐ」のHPか、Facebookから

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