大阪市長への提言で処分、久保前校長が本出版「フツーの校長、市長に直訴」(上)

大阪市の松井一郎市長に教育行政について提言書を送り、文書訓告を受けた市立小学校の校長が3月末で定年退職した。久保敬さん(60)。「卒業」に合わせ、提言に至った経緯や37年間の教師生活を一冊の本にした。(新聞うずみ火 栗原佳子)

 

本のタイトルは「フツーの校長、市長に直訴!ガッツせんべいの人権教育論」(解放出版社 1500円+税)。まずは、何が久保さんを異例の直訴へと突き動かしたのか、その背景に何があったのかが柔らかな筆致で描かれる。

久保さんが異例の直訴に及んだのは昨年5月。大阪は新型コロナ第4波の緊急事態宣言下で、教師生活最後の年度が淀川区の木川南小学校ではじまって1カ月半余りが過ぎた頃だった。

きっかけは宣言発令に伴い4月19日、松井市長が市立小中学校に急きょオンライン授業を導入する方針を打ち出したことだった。2月にオンライン授業を試した経験があった久保校長は「対応は簡単ではなく、現場は混乱する」と憂慮、3回にわたって市HPの「市民の声」窓口に実名、肩書を記してメールした。しかし、方針は変わらず、市長に直接手紙を書こうと思い立った。

「最初はオンライン授業について書くつもりが、いつから大阪はこんな教育になってしまったのか、教育の独立性が損なわれてきたのに自分は今まで何してきたんやろかと、そんな自分が許せなくなった」と久保さん。どこにも言えずにため込んできた違和感があふれ出し、突き動かされるように書いたのが提言書「豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために」だった。市長に届くはずはないと思いながらも自分を納得させるために書き、市役所の住所に投かんした。

提言書は、内容に共感した友人らを介して瞬く間にネットで拡散され、メディアにも取り上げられた。そのことで久保さんは「大阪市職員基本条例」の服務規程違反に問われ、文書訓告処分を受けた。一方、子どもたちや父母ら、教職員、地域の人々はもとより、全国各地から様々な人たちから多くの励ましが寄せられた。

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