大阪市立高校が府に移管 無償譲渡差し止め訴訟で原告敗訴(上)

大阪市立の高校全てが4月から大阪府へ移管されるのに伴い、土地・建物だけで計1500億円という巨額な財産が無償譲渡されるのは違法だとして、卒業生らが譲渡の差し止めを求めた住民訴訟の判決公判が3月25日、大阪地裁であった。森鍵一裁判長は「高校移管には公益性、公共性があり、無償譲渡も不合理ではない」などとして原告側の請求を棄却した。原告側は判決を不服として控訴した。(新聞うずみ火 栗原佳子)

移管をめぐる動きは松井一郎知事、橋下徹市長時代の2012年、府市統合本部で「二重行政」として検討されたのが始まり。14年には「大阪都構想」=大阪市廃止・分割を先取りするかたちで市立高校の府移管方針が決まった。15年、20年に行われた「大阪都構想」の是非をめぐる住民投票はいずれも否決され、大阪市は存続したが、2度目の住民投票からわずか1カ月後の20年12月、府・市両議会で移管の関連条例案が可決した。政令指定都市から道府県への移管は前例がない。

大阪市が運営する市立高校は21校。同じ政令指定都市の名古屋市の14校、横浜市、京都市、神戸市の9校と比較しても飛び抜けて多い。その土地・建物は大阪市公有財産台帳で1500億円、市場価格では倍の3000億円と試算される。府に移管されると「3年連続定員割れした高校は再編対象」という府立学校条例が適用されるため、多くの学校が統廃合される可能性もある。廃校後の不動産売却益は府に入る。

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