半田滋さん「核共有・改憲より人的貢献を」ロシアのウクライナ侵攻1カ月(4)

ロシアのウクライナ侵攻に便乗して、日本の右翼政治家が非核三原則の見直し、改憲を声高に叫んでいる。(新聞うずみ火 矢野宏)

 

安倍元首相が2月27日のフジテレビの番組で「アメリカの核兵器を日本に配備して共同運用すべきだ」との認識を示した。NATOのドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコも核兵器を共有しているという。

核共有論に対し、防衛ジャーナリストの半田滋さんは「二つの大きな壁がある」と説明する。

「一つは核兵器不拡散条約(NPT)という国際法です。米・露・英・仏・中国の核保有国5カ国以外の国は核兵器の開発・保有を禁じられています。ドイツなどが核共有したのは1950年代、NPTに関する交渉が始まる以前のことです。二つ目は非核三原則という国是。維新代表の松井一郎・大阪市長は『昭和の価値観のまま令和も行くのか』と発言していましたが、論外です。『日本は核共有できない』というのが岸田首相の国会答弁です。それに、ドイツなどの国々に置いている核は航空機に搭載して発射する旧式で、敵国上空で撃ち落とされてしまいます。実際には使えない核で、維持費がかかるだけ。さらに先制攻撃の目標にもされる、まったく意味がありません」

だが、JNNが3月5、6日に実施した世論調査で、「核共有すべき」が18%、反対に「核共有すべきではない」が18%だったが、「核共有はするべきではないが議論はすべき」と答えた人が60%に上った。一見、もっともらしい答えだが、そもそも議論する意味があるのだろうか。

半田さんは「意味がありません」と言い切る。

「米国の核兵器を共同運用するといっても、核兵器を使用する際にはアメリカの許可が必要です。もし、仮に日本が使いたいと言っても、アメリカの国益にならないとなると使えないのです。それに、問題はありますが、日米安保条約の核の傘の下で十分ではないでしょうか」

また、憲法9条を改正すべきとの声があるが、「9条の下でもこれまでの政府解釈上、自衛のための戦争は否定されていません。しかも、日米安保条約があるので、仮に日本が攻撃を受ければ日本に駐留する5万人の米兵が出動することになっています。まったく状況の違うウクライナの場合と一緒くたにして人々の不安につけ込み、これまでの政府の憲法解釈も無視して改憲に向かうなどというのは、火事場泥棒としか言いようがないでしょう」

日本ができることはあるのかという問いかけに対し、半田さんはこう語った。「人的貢献で、国際緊急援助の医療隊をウクライナに隣接する東欧諸国へ派遣する、医薬品を送る、難民支援をしているNGOを支援することではないでしょうか」

 

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