検察の責任認めず 再審無罪 小6娘焼死の青木さん国賠訴訟(下)

怒りをぶつける青木惠子さん

昔から、国家権力に不利になる判決を書かない裁判官は「ヒラメ裁判官」と言われる。判決は検察が警察の捜査記録などの証拠を早く開示すれば真相究明が早まった可能性にも言及し、「種々の疑問がある」と苦言を呈した程度だ。会見の最中、青木さんは弁護士の了解を取らず、「控訴します」と明言した。最初は「もう裁判官を信じない」としていたが、「新たな裁判体で闘います。裏切られても、裁判官を信じないことには闘えない」と心の揺れも見せた。(ジャーナリスト 粟野仁雄)

 

青木さんは亡くなった娘にかけた保険金殺人とされたが、保険会社の勧誘員にしつこく加入を求められた学資保険だった。娘への思いを問われると「14日も娘のお墓参りにひまわりを持って行き、国の違法性も認められるように祈りました。しかし、その思いを果たせなかったので、また控訴して闘うから応援してねと伝えたい」と話した。

記者会見後の報告集会には大勢の支援者が集まった。「布川事件」の桜井昌司さんも駆け付け「私は勝ったので最高裁で闘えなかった。青木さん、あなたは闘う姿が似合う」などと励ました。殺人の濡れ衣で約30年、獄につながれたが再審で無罪、国賠でも勝利した桜井さんならではの激励だ。

続いて登壇したのが西山美香さん。滋賀県の湖東記念病院で男性患者が自然死した件で殺人の濡れ衣で服役、再審無罪となった女性だ。

「青木さんがいなかったら今の自分はないんです」と、刑務所時代に厳しく励ましてくれたことに感謝。「白いスーツは青木さんと示し合わせたんじゃないけど私、サイズがでかいので服を探すのは大変なんですよ。名張の時(毒ぶどう酒事件での3月3日の名古屋高裁再審請求棄却判決)も花束持って行ったら駄目でした。今日も駄目。なんか私、不幸を運ぶ女みたいです。今度はいっそのこと真っ黒のスーツを着て行こうかな。それとも、裁判官に『白黒をはっきりして』という意味で白と黒の縞模様の服にしようかと思っています」と話し、会場は笑いに包まれた。

記者会見では怒りをぶつけ続けた青木さんも泣き笑いのような表情に。「獄友コンビ」は自らの国賠裁判を抱えながら、これからも冤罪被害者の支援活動に走る。

大阪地裁判決から10日後の25日、青木さんは控訴した。

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