「あなたを逮捕します」と検察 村木厚子さん無実の勾留164日

森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざんや防衛省の南スーダンPKO日報隠ぺい問題など、官僚による組織的な不祥事が相次ぎ、鉄鋼や自動車などの日本を代表する大企業でも品質データの改ざんが次々と明らかになっている。なぜ、このようなことが起きるのか。背景には何があるのか。私がパーソナリティーを務めているMBSラジオ「ニュースなラヂオ」で、「日本型組織の病を考える」(角川新書)を出版された元厚生労働事務次官の村木厚子さんに話を伺った。(新聞うずみ火 矢野宏)

村木さんは1955年高知県生まれ。78年に労働省(現・厚生労働省)に入省し、女性や障害者政策などを担当した。郵便不正事件で不当逮捕されたのは2009年6月のこと。

郵便不正事件とは、偽の障害者団体が、郵便料金が格安になる障害者用の郵便割引制度を悪用して不正に利益を得ていたというもの。村木さんは、障害者団体であることを示す証明書を部下である係長に作らせたとして大阪地検特捜部に逮捕される。

「係長が逮捕され、報道がどんどん過熱していく中で、私だけが特捜部に呼ばれない。とても気持ちの悪いものでした。特捜部から連絡があった時、『これでようやく話を聞いてもらえる』『きちんと説明すれば誤解も解ける』という思いでした。取り調べが始まり、障害者団体の関係者に会ったか、証明書の発行について部下に指示したか、証明書を手渡したかなどと聞かれるのですが、心当たりがないので、『いいえ』と答える。そういうやり取りを繰り返し、その日の夕方に『あなたを逮捕します』でした」

その時の心境について、村木さんは「娘たちが母親の逮捕を報道で知ることは絶対に避けたいと思い、携帯電話を取り出し家族の電話番号を調べるふりをして、夫に『たいほ』とメールしました」と振り返る。

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