「毎日がワクワク」堀江謙一さん 世界最高齢83歳で太平洋横断

海洋冒険家の堀江謙一さんは3月下旬にアメリカ・サンフランシスコを出航。ゴール地点の紀伊水道まで約8500キロを69日間かけて航海した。記者会見で堀江さんは「この航海の目的は、僕の精神と肉体の完全燃焼を目指すこと。僕、現在は、青春真っただ中です」と語った。(ジャーナリスト 粟野仁雄)

一体、何が驚異の身体を作るのか。「暴飲暴食しないこと。それとヨットに乗っているからですよ。波は2、3秒に1回来ます。1日は8万6400秒。69日なら何百万回。

揺れに対して筋肉などが反応して自然にストレッチしています。寝ていても無意識に反応している。それが毛細血管とかの働きをよくしているのでは」と説明する。

記者会見で「ビールが飲みたかった」と堀江さん==6月5日、兵庫県西宮市(撮影・粟野仁雄)

 

関大一高校でヨット部に入部した。

「船乗りになりたかった。親戚にいたんですよ。上陸中は我が家とかあちこちに泊って、船員帽かぶって飲み歩いて、また船でどこかに行く。気楽なセイラーマンにあこがれましたね」

堀江さんは多様な価値観を大事にする。「ヨットで太平洋横断なんて何の価値があるんやと思う人も多いでしょう。でも、世の中みんなが求める価値観だけを求める必要はない。多様な価値観が認められなければ戦前と同じですよ」

ヨットは孤独だが「一人暮らしの人が孤独死していたという記事があったけど、部屋にはたくさんの小説なんかの文庫本があったと報じられていた。決して孤独死なんかではなく、多くの本に接しながらの幸せな死に方だったんじゃないでしょうか」とも。

 

高齢者へのアドバイスは「何かに挑戦すること。試行錯誤のうちに絶対に新しい世界が開けてきます。それが楽しいですよ」

どこもつかまずに軽々と上陸した堀江さん=6月5日、兵庫県西宮市(撮影・粟野仁雄)

 

若者について「先を見過ぎてしまっている気がします。貯金ばかりしたり、何歳になったらマンションを買うとか。僕が若い頃はインフレ時代。貯金したって十年後には価値が半分になってしまう。好きに使っていました。今は何か夢がないような。若い人には楽しい人生を送ってほしい」と切望する。

大海原で世界史にも思いをめぐらしてきた。「人間の歴史で大きく飛躍したのは大航海時代。それまではヨーロッパの人も地球の反対側には化け物でも住んでいると思っていたかもしれない。文明が飛躍するのはマゼランやマルコ・ポーロの探検から」。そして「昔もいいことはあったんでしょうけど、20世紀にいろんなものが発達したから我々は楽しい人生が送れているのでは。外国にだって行けるし。医療も発達した。いろんな電化製品ができてテレビも楽しい。冷たいビールも飲める。妻なんか、冷蔵庫が駄目になったら電気屋さんに『今日中に持ってきて』と頼んで大騒ぎですよ」と笑わせる。

大冒険家の威厳をまったく感じさせない堀江氏は「今の世に生まれて幸せじゃないですか。明日は何があるんやろうと毎日ワクワクしてますよ」と語った。若さの秘訣とは、不平、不満を持つのではなく、明るく前向きに暮らすこと、と知った。

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