ドキュメンタリー映画「百年と希望」共産党追いながら「描きたかったのは今の日本社会」

今年7月15日で結党100年を迎える日本共産党をテーマにしたドキュメンタリー映画「百年と希望」(107分)が7月2日から大阪市西区のシネ・ヌーヴォなどで公開される。1983年生まれの西原孝至監督が昨年から1年間、同世代の政治家や党機関紙「しんぶん赤旗」編集部などを撮影した。西原監督は「共産党の99年目の姿を通し、多くの課題を抱える今の日本社会が浮き彫りになれば」と期待を込める。(栗原佳子)

 

西原監督は2015年、安保法制に反対する「Seals」の若者たちに出会い、ドキュメンタリー映画「わたしの自由について」(16年)を製作。もうろう者の生活に密着した「もうろうを生きる」(17年)、フェミニズムを描いた「シスターフッド」(19年)などの作品を次々と発表してきた。

 

共産党をテーマに選んだ大きなきっかけはコロナ禍で、休業要請の影響を受けるミニシアターを支援する『SAVE THE CINEMA』に参加したこと。社会運動を記録する側から運動する立場に身を置き、国会議員や関係省庁への陳情などに右往左往した。そんな中、文化庁の陳情に同行した共産党の女性議員が文化芸術施設の置かれた窮状を代弁する姿が強く印象に残ったという。

映画のワンシーンから。昨年の都議選で2期目に挑んだ池川友一さん㊥ ©ML9

 

「日常にある『これってよく考えるとおかしいよね』ということを敏感に感じ取ったり、困っている人の声をすくいとって代弁していったりという姿を見ていて、興味が湧きました」

 

制作資金はクラウドファンディングで集めた。党員ではない外の立場から、自身が話を聞きたい人を中心に撮影したという。東京オリンピック・パラリンピック開催に揺れるコロナ禍の東京。夏の都議選では都立高校の「ツーブロック禁止」校則問題を追及した池川友一さん(1985年生まれ)が2期目に挑む姿を追った。秋の総選挙では、ジェンダー平等やLGBTQの問題などに取り組む池内かおりさん(82年生まれ)が捲土重来を期す姿に密着した。

 

逆に36年生まれの地方の古参党員の軌跡をたどり、一般紙をしのぐスクープで注目される「しんぶん赤旗」の編集部にもカメラを向けた。

 

「共産党を撮影した映画ではありますが、描きたかったのは今の日本社会。今、自分たちが生きている社会がそのままでいいのか考えてもらうきっかけになればいいと思います。日本社会に希望があるのかないのかも、観てくれた方に問いかけたいですね」

 

テレビドキュメンタリーも手がける西原監督。ジャーナリズムをテーマにした次作を構想中だという。

 

東京・ユーロスペースで上映中。全国で順次上映。関西では7月2日からシネ・ヌーヴォ、元町映画館、8日から京都みなみ会館、16日から第七藝術劇場。

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