「カジノの是非は大阪府民決める」21万筆集めた署名運動…記者も「受任者」体験

カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非を問う住民投票の実施を目指す大阪の署名運動は約21万筆を集め終了した。目標とした20万筆を達成し、法定数の15万筆を上回るのは確実。市民団体「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」は府と事業者が実施協定を締結する前に、住民投票条例制定の直接請求を行う方針だ。府は4月下旬、国に区域整備計画を提出しており、「国に認定させない」運動も広がりを見せている。(新聞うずみ火 栗原佳子)

 

府・市のIR区域整備計画案は3月下旬の府・市議会で維新と公明などの賛成多数で可決。署名活動はその渦中の3月25日にスタートした。5月25日までの62日間で府内有権者の50分の1(約15万人)の署名(法定数)を集めれば、住民投票の条例案を知事に直接請求できる。

署名活動は府内全72市区町村で取り組まれ、うち54が法定数を超えた。署名を集めることができる「受任者」は期間中も増加、7729人を数えた。それ以外にも、事務局が把握できない受任者がいるとみられる。

署名簿を此花区選管に提出する同区の受任者たち=6月6日

 

共同代表の大垣さなゑさんは「府と市の議会で計画案が通ってしまい、追い詰められた運動に風穴を開けることができました。まだやれる、まだやろうという勇気を与えたと思います。市民運動や政治活動などしたこともないけどカジノはあかんという個人がつながり、運動が広がっていきました」と振り返る。

署名数が飛躍的に伸びたのは最終盤。5月15日段階でまだ6万7000筆で、あと10日で最低10万筆集めなければ法定数には届かない状態だった。街頭署名、全戸訪問のローラー作戦が各地で取り組まれ、商店街の一角に机を出すなどの署名会場「署名ステーション」があちこちに開設された。

報道が少ない代わりに、威力を発揮したのがツイッターなどSNS。「もとめる会」事務局には、最終日の午前零時ぎりぎりまで署名に駆け込む人たちがいたという。

大阪市此花区民の私も再終盤の数日間、署名会場に待機した。訪れる人のほとんどがツイッターなどを頼りにその場所にたどり着いていた。

参考記事:自民大阪市議、元副知事らも次々に反対「大阪にカジノはいらない」

此花区では女性2人、男性1人が2カ月間、区役所前に立ったり、自転車で街宣したり、戸別訪問をしたり、地道な活動を続けていた。60代の女性は診療所で偶然、大阪のカジノ計画に関する冊子を読み仰天、ネットで探した「もとめる会」に連絡したという。此花区はIR予定地の人工島「夢洲」の所在地。3人は「地元」を強調したオリジナルのチラシも作成していた。

最終日、団地を回った。勇気を出して呼び鈴を押すが、2時間足を棒にして5筆。84歳の女性は「最終日だから一筆でも多く集めないと」と夜まで戸別訪問を続けていた。

こうした一筆一筆を積み上げた署名簿が6月6日、各選挙管理委員会に提出された。今後、法定数の50分の1を上回る署名数が確定すれば、吉村洋文知事に直接請求。知事は20日以内に住民投票条例案を府議会に提案しなくてはならない。府議会は大阪維新の会が過半数と、可決には高いハードルが待ち受ける。

 

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